エネルギー管理士試験、熱分野科目3であまり出題された事はないですが、念のため暗記しておいたほうがいい、気体燃料ならびに液体固体燃料の発熱量の測定方法についてまとめました。
これを読めば、燃料の測定の概要が理解できます。
是非参考にしてください。
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燃料発熱量の測定について
気体、液体、固体燃料あるので、まず気体燃料から説明します。
気体燃料の測定
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気体燃料の測定方法は主にこの2種類を抑えておけば、大丈夫です!
【1.ユンカース式流水型ガス熱量計について】
(特徴)
1.高発熱量約8.4~62.8MJの気体燃料ガスに適用されます。
2.ガスを燃焼させたときの燃焼熱を流れに吸収させて、水温変化から高発熱量をもとめます。
【2.ガスクロマトグラフ法について】
(特徴)
1.メタン、エタン、プロパンなどの成分比率を求めて、各発熱量を計算し、これらの合計で全体の発熱量をもとめます。
液体燃料の測定方法
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【改良型熱研式ボンベ形熱量計について】
使用方法としては、
1.燃料をボンベ内で高圧酸素によって燃焼させる。
2.発生熱を内筒水に吸収させて高発熱量を求めます。
固体燃料の測定
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【熱研式B形熱量計または熱研式自動熱量計について】
使用方法といては
1.水の入った熱容量既知の内筒水で燃焼させ水温の上昇から高発熱量を求めるよ。
2.高発熱量は次によるよ
石炭:高温ベースまたは無水ベースの高発熱量
コークス:無水ベースの高発熱量
燃料の組成分析と性状測定について
これも気体、液体、固体燃料あり、まず気体燃料から説明します。
気体燃料の組成分析の区分
一般成分と特殊成分(少量成分)に分かれます。
一般成分の分析成分は、
メタン 水素 一酸化炭素 二酸化炭素
酸素 窒素 ガス状炭化水素です。
一般成分の分析方法
ガスクロマトグラフ法(熱伝導度検出器か水素炎イオン検出器を備えたものを用いられます)
を行います。
特殊成分の分析成分と分析方法
1.全硫黄 (過塩素酸バリウム沈殿滴定法、ジメチルスルホナゾⅢ吸光光度法)
2.硫化水素(ヨウ素滴定法、メチレンブルー吸光光度法、酢酸鉛試験紙法)
3.アンモニア(中和滴定法、インドフェノール吸光光度法、硝酸銀ー硝酸マンガン
試験紙法)
4.ナフタレン(ガスクロマトグラフ法)
5.水分(吸収ひょう量法、露点法)
を行います。
液体燃料の分析成分と分析方法
1.硫黄(微量電量滴定式酸化法、酸水素炎燃焼式、ジメチルスルホナゾⅢ吸光光度法、放射線式励起法、燃焼管式空気法、ボンベ式質量法、紫外蛍光法)
2.窒素(化学分析法)
・マクロケルダール法:窒素をアンモニアに変換し、硫酸標準液で中和滴定するよ。
・ミクロゲルタール法:窒素をアンモニアに変換し希硫酸溶液に吸収し、発光させて吸光光度法で定量するよ)
3.窒素(機器分析法)
微量電量滴定法:窒素酸化物をアンモニアに変換し、電解液に吸収して電量滴定します。
4.残留炭素
・コソラドソン法 試料をるつぼに収め加熱燃焼したのち放熱冷却し質量を測定します。
・ミクロ法 試料をコーキング炉に収め加熱燃焼し、放熱冷却し質量を測定します。
5.灰分
・試料をるつぼに入れて燃焼し、炭化したのち電気炉において775℃で完全灰化し、その質量を求めます。
固体燃料の組成分析
ここに表を作成しますね!
分析成分 | 分析方法 |
---|---|
全硫黄 | ①エシュ分析成分法 |
試料をエシュカ合剤とともに約800℃で加熱し、全硫黄分を硫酸塩として固定し、塩化バリウム溶液を用いて生成した硫酸バリウム沈殿物の質量を測定する。 試料を約1350℃で加熱して全硫黄を酸化して気化し、過酸化水素水に補修して水酸化ナトリウム標準液で中和滴定する | |
窒素 | ①セミミクロケルダール法 |
試料を湿分分解してアンモニアに変換し、ホウ酸飽和溶液に吸収し、硫酸を硫酸標準液で滴定する。 | |
水素・炭素 | ①リービッヒ法 |
試料を約800℃で燃焼させ、発生した二酸化炭素と水蒸気をそれぞれ吸収剤に吸収させて、その増量を測定する。 | |
②シェフィールド高温法 | |
試料を約1350℃で燃焼させ、発生した二酸化炭素と水蒸気をそれぞれ吸収剤に吸収させて、その増量を測定する。 | |
灰中の硫黄 | ①重量法 |
試料を約815℃で灰化し、灰中の硫酸塩を塩酸で抽出したあと、エシュカ法と同様に硫酸バリウム沈殿物の質量を測定する。 | |
②高温燃焼法 | |
試料を約815℃で灰化し、灰を用いて全硫黄の高温燃焼法と同じ操作を行う。 |
エシュカ合剤とは?
軽質酸化マグネシウム2:無水炭酸ナトリウム1の合剤です。
燃料の性状測定について
燃料の区分 | 測定項目 | 説明 |
---|---|---|
気体燃料 | ①気体燃料の比重測定 | 同一温度、同一圧力における等体積のガスと乾燥空気の質量の比を測定する。 |
②液化石油ガスの密度測定 | 浮きばかり法で測定する。 | |
液体燃料 | ①密度 | 試料の粘度、蒸気圧によって種々測定法が規定されている。 |
②動粘度 | 毛管内を自然流下する時間を測定する。 | |
③引火点 | 密閉状態と開放状態で加熱する方法がある。 | |
④流動点、曇り点 | 流動点は2.5℃の整数倍で表す。 | |
⑤オクタン価、セタン価 | オクタン価はアンチノック性をセタン価は自己着火性を表す尺度である。 | |
固体燃料 | ①石炭類の粉砕性 | ハードグローブ指数で表す |
②石炭類の粒度 | ふるいでふるい分ける | |
③石炭類の膨張性 | るつぼ試験法を用いる | |
④石炭類の流動性 | ギーセラ・ブラストメーター法を用いる | |
⑤灰の溶融性 | 試験すいの形状変化の起こる温度を調べる |
覚えることが沢山あって大変ですが、同じ箇所を何回もやれば
必ず閾値は見えてくるので、頑張りましょう!!
まとめ
いかがでしたでしょうか?様々な成分分析方法がありますが、エネルギー管理士試験ではあまり出題されたことがありません。
しかし、いつ出題されてもおかしくないので、事前の準備をしておきましょう!!