エネルギー管理士熱分野科目3で、重油のことが多く出てきます。
そこで今回は、過去に出題された重油の問題を参考に、資料を作ってきます。
この記事では、エネルギー管理士熱分野で過去に出題された、重油についての動粘度や硫黄分など網羅的にご紹介していきます。
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重油の種類について
重油は品質により、A重油、B重油、C重油の三種類に分かれてます。
ちなみに、A重油、B重油、C重油は、一種(A重油)二種(B重油)三種(C重油)重油とも呼ばれてます。
ここで、JISK2205-2206(このJISの番号も覚えといた方がいいです)が登場してきて、動粘度が基準でA重油、B重油、C重油に分けられます。
ここが超重要です!!
あくまでも基準は動粘度です!!
そしてさらに、ここも重要です!!
一種重油だけは、硫黄分で1号2号に分けられてしまいます。
そしてさらに、さらに、ここも重要です!!
三種重油に関しても、動粘度によって1号2号3号に分けられてしまいます。
なので、重油は全部で6種類あります!!
重油の動粘度とは?
重油の動粘度や性質について分かりやすい動画がありましたのでご紹介いたします 。
バーナーへ燃料を送る時の、送り易さの度合いを表してます。
例えば、燃料が固まっていたら流れませんよね?
この流れない状態は動粘度の数値が高いという状態です。
動粘度の高い重油は具体的にいうと、三種重油になります。
三種重油のように、動粘度が高い重油に関しては、加熱をして使用します。
ちなみに粘度が低い重油(一種、二種重油)ほど、加熱は不要です。
そしたら最初から、一種重油を使えばいいじゃないですか?
て思いますよね?
なぜ一種重油を使わないないかといいますと
一種重油に関しては三種重油より値段が高いです。
高くなるとい事は、生産コストが上がるので、私たちの生活にも影響が出てきますね!
ですので安価な三種重油が主に大型ボイラーなどの大量に重油を使用される場所へ使われます。
エネルギー管理士試験で聞かれる動粘度の問題は?
何度もいいますが、エネルギー管理士試験では、重油の動粘度に関する問題が過去にかなり出てます。
そして、過去に多く試験で聞かれてることは、バーナーへ燃料を供給する時に、この重油は加熱するか?しないか?です。
ここでイメージして欲しいポイントとしては、バーナーへ重油を送る時に、二つのカテゴリーがあります。それは
送油と噴霧燃焼の2種類です!
送油と噴霧燃焼ですが、読んで字のごとく、噴霧燃焼の方がより粘度が低くなきゃダメなイメージですよね!
ちなみに一般的に要求される動粘度は
送油の場合500~1000㎟/s、
噴霧燃焼の場合、15~45㎟/sです。
この二つの動粘度の数値はめちゃめちゃ大事なので覚えてください!
ちなみに、動粘度が一番高いのは
三種重油の3号で、50℃の時の動粘度で400~1000㎟/sです。
これでは送油の場合も噴霧燃焼の場合も加熱して動粘度の数値を下げないと駄目ですよね?
そこで加熱します!!
具体的には、送油の時20~30℃ 、噴霧燃焼の時80~90℃ 加熱する必要があります。
この加熱温度についても、かなり重要なので覚えてください。
ちなみに、一種重油の動粘度が1号2号共に20㎟/s以下です。
これは、20㎟/s以下なので送油の場合も噴霧燃焼の場合も、加熱不要ですね。
二種重油はどうでしょう?
二種重油に関しても同年度は50㎟/s以下です。
噴霧燃焼が、許容範囲オーバーしてますが、加熱は不要です。
三種重油はどうでしょうか?
三種重油の1号に関しては250以下
三種重油の2号に関しては400以下
ですのでこちらも、噴霧燃焼の時は加熱が必要になりますね。
一種重油の硫黄分について
一種重油が硫黄分によって1号と2号に分かれていると説明しましたね。
では具体的に、硫黄分の数値ですが
1号 0.5(kg/kg)以下
2号 2.0(kg/kg)以下です。
2号は1号に比べて4倍も差があるんですね!!
ちなみに、硫黄分とは何かといいますと燃料を燃焼することにより、二酸化硫黄や三酸化硫黄が生成されます。二酸化硫黄は、待機中に廃止されると大気汚染の原因となります。
ですので排煙脱硫装置や
重油脱硫装置などの設置が必要になります。
三酸化硫黄については、硫酸になります。
これはボイラーを腐食せてしまう恐ろしい物質になります。
こちらも具体的な動画がありましたのでご紹介いたします。
なので硫黄分が少ない燃料の方がいいですね。
重油の窒素分について
窒素分については硫黄分と比較してかなり少ないです。
具体的には
A 重油で0.01~0.03(kg/kg)
B C 重油で0.1~0.4(kg/kg)
となります。
重油の流動点と動粘度の相関関係について
流動点とは寒いところでの、重油の流れやすさを表すものです。
こちらも、動粘度が低い方が、流動点も低いという相関関係があります。
また、A重油のように品質が良い重油ほど寒いところでも流れやすいということですね。
重油におけるC/H比とは?
エネルギー管理士試験で、このC/H比についてよく出題されます。
そもそもこのC/H比とはなんぞやという話ですが
Cは炭素
Hは水素です。
この比を表しています。
つまり重油の密度の事です。
この密度については、A重油に行けば行くほど低くなり、C重油に行けば行くほど高くなっていきます。
つまり、値段が高い重油は密度が低いということです!
では重油における密度は、どんな影響があるかと言いますと、密度が大きくなると、なんと発熱量は低くなります。
燃えにくくなってしまうということですね。
まあ値段が高い重油ほど燃えやすいということなので、わりにあってますね。
重油の密度の数値ですか
A 重油は0.83~0.88g/㎝3
B重油は0.91~0.93g/㎝3
C 重油は0.94~0.97g/㎝3
程度です。
重油の発熱量について
重油の発熱量は、密度が同じであればほぼ同一です。
A 重油から C 重油の密度は、そこまで大きく離れていません。
ですので高発熱量は42~46MJ/kg程度です
重油の引火点について
A、B重油は60℃以上
C重油は70℃以上です。
こちらの数値も試験に出ますので覚えておきましょう。
まとめ
今回はエネルギー管理士試験に、過去に出題された内容で重油を解説していきました。
特に今回紹介した重油の動粘度や、硫黄分などの数値については、テストで出る可能性がありますので覚えておきましょう。